最近、私は馬革の靴を製造しているドルジバダムという女性と話をした。彼女は2009年に4人の従業員とともに事業を始めたという。現在では8人に安定した雇用を提供し、自社の商品、顧客、市場を持つ、成功した事業者となっている。
彼女の事業の特徴の一つは、原料となる馬皮が一年を通じて安定的に供給されるものではないという点である。皮革の調達時期になると、製造業者は原料を仕入れて備蓄する。まさにその時に資金が必要となるのである。商業銀行に融資を申し込むと、季節性のある事業だという理由で多額の担保を求められ、多くの書類をそろえ、審査結果を待たなければならない。しかし、ビジネスチャンスはいつまでも待ってくれるわけではない。
ドルジバダムは最近、この問題を別の方法で解決するようになった。売上が入金される銀行口座の取引明細を提出し、必要な時にLendMNから資金を調達するようになったのである。融資を継続的かつ確実に利用するほど条件が改善され、金利も下がること、また資金に余裕ができた時には期限前返済ができることを気に入っていると彼女は話した。
彼女の話を聞きながら、私は一つの疑問を抱いた。ドルジバダムが直面している問題は、一つの靴工場だけの問題なのだろうか。それとも、モンゴルの金融システムが抱える大きな問題を映し出す、小さな一場面なのだろうか。
資金はある。では、そこへたどり着く道は?
ビジネスの生命線は資金調達である。優れたアイデア、良い商品、市場があったとしても、運転資金がなければ事業は成長しない。原材料を仕入れることも、設備を更新することも、新たな従業員を雇うこともできない。とりわけ中小企業にとって、これは深刻な問題である。
モンゴルの金融システムでは、商業銀行が中心的な位置を占めている。銀行は個人や企業から預金を受け入れ、その資金を融資として貸し出しているため、リスクに対して慎重になるのは当然である。借り手を審査し、収入を確認し、担保を要求する。これは銀行が悪いわけではない。預金者の資金を守ることは、銀行の基本的な責務の一つだからである。
しかし、ここに一つの隙間が生まれる。事業自体は利益を上げているが、担保にできる不動産をほとんど持たない人はどうすればよいのか。収入に季節性がある事業はどうすればよいのか。原材料がまさに今日、市場に出てきたため、2か月後ではなく、今日すぐに運転資金が必要な製造業者はどうすればよいのか。
こうした需要が存在するため、銀行以外の金融機関、すなわちノンバンク金融機関(NBFI)が生まれ、発展しているのである。数字を見ると、この業界はすでに決して小さな存在ではない。
2025年第2四半期時点で、モンゴル国内では573のノンバンク金融機関が営業しており、その総資産は8兆トゥグルグに達している。これに対して同時期、12の商業銀行の総資産は72兆3,000億トゥグルグであった。つまり、ノンバンク金融機関の総資産は、銀行システム全体の資産の約11%に相当する規模にまで達しているのである。
さらに興味深いことに、ノンバンク金融機関の総資産は、2023年第2四半期の3兆9,000億トゥグルグから、わずか2年間でほぼ2倍に増加している。この成長が示していることは一つである。それは銀行では対応できない、あるいは銀行の伝統的な融資条件には適合しない資金需要がモンゴル経済の中に相当程度存在しているということである。
ノンバンク金融機関は銀行に取って代わろうとしてきたのではなく、銀行のサービスが十分に届かない市場の一部分を補ってきたのである。そして、テクノロジーが発展するにつれ、その隙間を埋める方法も変わりつつある。
担保からデータへ
従来型融資の大きな問題の一つは、情報の非対称性である。融資を申し込む人は、自分自身の事業についてよく知っている。しかし、資金を貸そうとする金融機関は、その事業のことを十分には知らない。そのため長年にわたり、この未知のリスクを担保によって低減してきたのである。
しかし、デジタル経済がこの状況を変え始めている。今日では、企業の銀行口座の取引履歴そのものが情報となる。どの程度の収入が入っているのか。収入は安定しているのか。事業は何年間継続しているのか。これまで融資をどのように返済してきたのか。キャッシュフローはどのような状態なのか。
言い換えれば、銀行にとって担保が信用を裏付ける主要な保証であったとすれば、デジタル金融においては、データが信用を裏付ける新たな保証になりつつあるのである。
LendMNの「FlexiBusiness」は、その一例である。同社は2024年に無担保のデジタル事業者向け融資を導入し、2026年5月時点で1万2,000人を超える事業者に資金を提供したと発表している。
2026年第1四半期には、事業者向け融資がLendMNの融資ポートフォリオ全体の43.3%に達し、前年同期と比べて17.3ポイント増加した。これは一方では同社の事業者向け融資の拡大を示しており、もう一方では、迅速で利用しやすい運転資金への需要が存在していることを示している。
なぜスピードに価値があるのか?
ドルジバダムの例に戻ろう。馬皮を集める季節がやって来たとする。原材料がある。価格も手頃である。製造業者も購入する準備ができている。しかし、資金だけが足りない。もし資金調達が2か月後になれば、融資を受けられたとしても、ビジネスチャンスはすでに過ぎ去っている可能性がある。
この意味において、小規模事業者にとって融資の価格、すなわち金利は重要であるが、融資を受けられるまでのスピードも同じように価値を持つ。LendMNの事業者向け融資では、売上を受け取っている銀行口座の取引明細を基に融資可能額を算定し、担保を要求することなく最大1億トゥグルグの資金調達が可能であると、商品条件に記載されている。また、承認された融資枠の範囲内で必要な時に繰り返し利用し、実際に利用した期間についてのみ利息を支払うことも可能である。
より大規模な資金を必要とする事業者を対象としたFlexiBusinessの仕組みでは、最大10億トゥグルグまでの資金調達申請を受け付けており、同社が提供する事業者向け金融の範囲はさらに広がっている。
ただし、ここで一つ忘れてはならないことがある。迅速に手に入る資金は、無料の資金ではない。ノンバンク金融機関による資金調達コストは、銀行融資より高いことが一般的である。LendMNが現在公表している最大1億トゥグルグまでの事業者向け融資の月利は、商品の種類に応じて3.99~4.50%となっている。
したがって、事業者は融資のスピードや利用しやすさを、単に月利だけで判断するのではなく、その資金が自らの事業にどの程度の利益を生み出すのかと合わせて計算しなければならない。融資を受けて事業を成長させることと、融資を受けて以前の借金を返済することは、まったく別の問題である。
金融へのアクセスが拡大するほど、金融規律も高めなければならない
銀行か、ノンバンク金融機関か。実のところ、そもそもこのような二者択一で問いを立てること自体が間違っている。モンゴル経済には銀行も必要であり、ノンバンク金融機関も必要である。今後はさらに、フィンテック、資本市場、ベンチャーキャピタル、ファクタリング、リースなど、多様な資金調達手段が必要となるだろう。
競争のある経済の大きな利点は、すべての人を同じ一つの入口から入れようとしないことである。大規模工場には長期の銀行融資が適しているかもしれない。スタートアップ企業には投資家が必要かもしれない。
一方、ドルジバダムのように季節的な運転資金を必要とする小規模製造業者には、迅速で柔軟な融資枠の方が適している場合がある。何よりも重要なのは、事業者に選択肢があることである。
金融業界における競争とは、単に銀行やノンバンク金融機関の数が多いことを意味するのではない。利用者が自らのニーズに合った多様な資金調達手段の中から選択できることを意味するのである。ここから、政府の役割も明確に見えてくる。政府が行うべきなのは、資金調達に至る道を整備することであって、誰に融資を受けさせるかを選ぶことではない。
政府は、信頼性の高いデジタル本人確認システム、優れた信用情報データベース、安全な情報交換インフラ、契約の確実な履行、消費者保護、そして銀行とノンバンク金融機関の公正な競争を保障すべきである。
データの質が向上すればするほど、金融機関はリスクをより正確に評価できるようになる。リスクを正確に評価できるようになればなるほど、優良な借り手にとって資金調達コストが低下する可能性がある。そうすることによって初めて、担保となる資産は少なくても、優れた事業を営んでいる人が金融システムの外に取り残されずに済むのである。
4人から8人へ
ドルジバダムは2009年に4人で事業を始めた。現在では8人が働いている。新たに生まれた雇用は4人分である。マクロ経済統計の中では、「4」という数字はほとんど目立たない。しかし、4つの家庭にとって、それは安定した収入である。子どもの学費であり、食費であり、住居費であり、未来なのである。
モンゴルには、ドルジバダムのように4人、5人、10人という新たな雇用を生み出すことのできる小規模事業者が何千社も存在する。仮に1万の小規模事業者が、それぞれ4人分の新たな雇用を生み出せば、4万人の雇用が生まれることになる。
経済の多角化とは、必ずしも一つの巨大工場を建設することだけを意味するものではない。何千、何万もの小規模事業を、一歩ずつ成長させていくこともまた、経済の多角化なのである。彼らに誰かがビジネスのやり方を教える必要はない。ドルジバダムは17年間、自ら事業を経営してきた。彼女に政府の「起業家育成プログラム」は必要ない。必要なのは、馬皮が市場に出てくるまさにその時に、運転資金を確保できることである。
モンゴルには、彼女のような事業者が何千人もいる。彼らに必要なのは、資金を配ることではなく、資金へたどり着く道を開くことである。小規模事業にとって最も高価なものは、時として資金そのものではない。待たされる時間なのである。
そして、最大の資産も、時として不動産ではない。長年の努力によって築き上げてきた事業の実績、キャッシュフロー、そして信用なのである。
担保からデータへと移行しつつあるデジタル金融の真の価値は、まさにここにある。■

