“国家収奪”にならないように

Jargal Defacto
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2024年の国政選挙で競い合う政党、立候補者、有権者へ向けて

今、モンゴル人が今後どのように生きていくかを決める歴史的な出来事が起きようとしている。選挙は、すべての人の人生に影響を与える。そのため、誰もが選挙に参加することが重要である。もしあなたが投票しなければ、他の誰かの選択が優先されることを忘れてはならない。

国家権力を買収する企み

民主主義国であるモンゴルでは、12年ぶりに混合選挙制度による二度目の国政選挙が実施されようとしている。2024年の国政選挙では、78人の議員が選挙区から選出され、48人の議員が政党名簿リストから選出される。名簿リストは、5月20日月曜日に発表される。

したがって、今週末モンゴルでは、歴史的な政治取引が行われるようだ。なぜなら、SNS上では、自分や身内を政党の名簿リストに入れるために、政党に対して20〜60億トゥグルグ(180万ドル)を“寄付”するという取引について騒ぎが起きている。

そうなった場合、社会のあらゆる階層と人口のあらゆる層を代表するために議員の数を52人に増やした意味がなくなる。政党の名簿リストには、医師、教師、技術者、指導者ではなく、富を持つ者だけが入ってくることになる。

議席を買収して議員となる者たちの主な目的は、議員になるために政党に払った金を何倍にも増やし、大臣となり、国が公開する入札を獲得し、自分の会社に有利な法律や規程を国会で通過させることである。決して国民、その中で言論の自由、正義の確立、国民のより良い生活や働く環境の機会構築についてではない。彼らはこれらについて考えていない。

公正な裁判が行われないまま時間だけが過ぎ去り、それは汚職を減少させ、国民生活の質を向上させることなく、通貨トゥグルグの価値を下げ続け、物価上昇を招き、国民の海外流出が続くだろう。

党首がこのような政治取引に参加すれば、その行為は“国家権力を不法に奪取する、または奪取しようとすることを禁ずる”という憲法第1条3.2項に反することになる。企業や個人からの寄付は、法律によって制限されている。モンゴルの人口が少なく、政党に誰がいくら払って国政選挙に出ることになったかは、すぐにわかる話しである。すぐに見破られるだろう。

それでも私はいつか公正な司法制度が実現すると信じている。

新政権を安定させる

過去の選挙からみれば、選挙に勝利した政党の党首は、首相になれば時間を無駄にすることなく新政権を迅速に成立し、政権運営を円滑に進めてきた。民主主義が発展した国では、与党党首が首相になる。したがって、選挙に出場している各政党の党首は、首相になることを発表しなければならない。できれば、内閣議員、誰がどの省庁の大臣になるかまで発表すれば、これが投票にも影響を与える。

また、上述した政党の名簿リストや大臣には、犯罪、特に汚職犯罪に関わっていた人物を入れないということを、29の政党、2つの連立に対して求めることも必要だろう。さもなければ、これは政権が不安定になるもう1つの理由となる。

今、モンゴル国民は、政治家を賢く慎重に選ぶ時がきている。選挙が終わった後に私欲に走る政治家達による“国家収奪”(State capture)が起きないことを願う。■

2024年5月17日

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