「貧困のパラドックス―国民に届かない経済成長」(デファクトガゼット日本語版No.376)という記事で、私は“国有企業は100社を大きく超えており、その3分の1は赤字で運営され、財政を食い物にし、民間投資を圧迫している。エネルギー価格を補助金で抑え込んでいることは、投資シグナルを歪め、財政赤字を拡大させている”と現実を評価した。
国有企業の現状
2025年時点で、国有および国が出資する企業は109社あり、そのほぼ3分の1にあたる43社が慢性的な赤字状態にある。多くは3年連続で赤字を出し、収支は赤字のままである。2024年、国有企業は合計26兆トゥグルグの収入を得たものの、負債はほぼ2倍に増加し、11兆トゥグルグに達した。
これは2026年の国家予算(32兆9000億トゥグルグ)の3分の1に相当し、国全体の債務の24%を占めている。エネルギー部門が最大の「吸い上げ役」となり、補助金価格で運営される企業の損失を国家予算から補填し続けている。2024年11月に料金を引き上げたことは一つの前進ではあったが、財政赤字を完全に解消するには至っていない。
なぜ非効率に運営されているのか
その原因は構造的かつ政治的なものである。民間企業は利益と競争によって運営されるが、国有企業は「ソフトな予算制約」の下で運営されている。すなわち、赤字は納税者の資金、または貸借対照表の外にある保証によって補填される。経営陣には政治的任命が行われ、業績よりも縁故や支援関係が重視される。
エネルギー、輸送、鉱業などの主要部門では競争が存在しないため、コスト削減や改革への圧力がない。エネルギー補助金は投資のシグナルを歪め、民間投資家を遠ざけ、国家を「吸い上げ役」にしている。その結果、国家予算を吸い上げ、民間部門を締めつけ、鉱業収入に依存する経済の脆弱性を高め続けているのである。
公約が多く、行動はゼロ:政治資金の源泉
1990年代以降、歴代政権が国有企業の改革と民営化を公約してきたが、国有企業の数はむしろ増え続けてきた。初期のバウチャー民営化では、一部の資産が国民に渡されたものの、戦略的企業は国の管理下に残された。2000年代以降、何度も計画が発表され、近年では2028年までに18~20社を民営化し、モンゴル証券取引所を通じてその10~66%を売却し、3兆7000億トゥグルグを調達するとの約束がなされた。エネルギー分野の44社を統合したエルチスト・モンゴルという持株会社も、実質的な変化を生み出せず、完全に行き詰まった。
理由は単純である。国有企業は、政権与党や公務員にとって信頼できる資金源となっているからである。党に忠実な人々への職場、同盟者への契約、不透明な調達、配当などを通じて、政治的ネットワークに資金を供給している。この利害集団、すなわち政治家、高官、内部の従業員らが改革に反対するため、公約は選挙用の芝居になってしまうのである。
成功事例
この行き詰まりは、勇気ある民営化によって打破することができる。例えば、英国におけるマーガレット・サッチャー政権のブリティッシュ・エアウェイズの民営化である。1980年代初頭、ブリティッシュ・エアウェイズは巨額の赤字を抱え、従業員数も多い国有航空会社であった。これを1987年2月11日にロンドン証券取引所で株式公開したところ、公募は11倍に達した。
民営化後、従業員数は減少し、乗客数は増加し、定時運航率は70%から85%へと急速に改善した。サービスに関する苦情は半減した。同社は世界で最も収益性が高く、評価の高い航空会社の一つとなり、「世界で最も愛される航空会社」として名声を得た。
ニュージーランドは国有企業を株式会社化し、民営化することで赤字を黒字に転換した。チリはエネルギー部門を民営化し、規制の下で投資を呼び込み、損失を半減させた。ケニアではKenGenとSafaricomを一部IPOし、証券取引所を活性化させ、効率性を高めた。モンゴルにも、「モンゴル郵便」の部分的民営化が経営を改善し、企業価値を高めた成功例がある。
モンゴルで実施するには
モンゴル証券取引所を通じて国有企業の株式を一般に公開することは、民間資本と専門的な経営陣を呼び込み、市場による監視を働かせ、国民に所有の機会を与え、国内資本市場を深めるという複数の目的を同時に解決するものである。戦略的部門では「黄金株」を残し、エネルギー価格を実際の原価に近づけ、独立した取締役会、良いガバナンスのための法律、財政リスクの管理など、追加的措置も不可欠である。
その結果、国有企業は国家予算を吸い上げることをやめ、保健、教育、インフラに投入できる資金が生まれ、エネルギーや物流に民間投資が流れ込む。透明で、腐敗を防止し、モンゴル証券取引所を通じた本物の民営化を実施できれば、国有企業は赤字を生む「吸い上げ役」から、成長のエンジンへと変わるのである。
モンゴルは、中途半端な民営化によって、さらに10年を失ってはならない。国有企業の改革は単なる経済上の要請ではない。財政の自立、民間部門の活性化、長期的発展の基盤なのである。
“迅速に決断し、速やかに行動すべき時”である。

