恥をさらす鉱業界

Jargal Defacto
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MINING SECTOR WITH UNDERWHELMING PERFORMANCE

今日、モンゴルにとって鉱業はなくてはならないものとなった。輸出の86%、全産業の71%、経済の18%、税収の30%が鉱業によって占められている。2014年、モンゴルの銅輸出量は120万トン、4兆5千億トゥグルグに上った。同じく石炭は2,500万トンで1兆4千億トゥグルグ、金は7.5トンで5,430億トゥグルグだった。鉱物資源庁によると、銅、石炭、金の輸出額は6兆5千億トゥグルグとなり、これは輸出全体の90%を占める。

これほどまでに外貨を稼いでいるにもかかわらず、モンゴル国民の3分の1が貧困にあえいでいる。またなぜこの国の政府は国債を発行して負債を抱え、さらに諸外国からの融資を当てにしようとするのか。モンゴルを代表する産業である鉱業は、国の恥さらしとなっている。しかし悪いのは鉱業ではなく、国の制度だ。

天然資源ガバナンス 

モンゴルの鉱業制度を国際天然資源ガバナンス研究所(NRGI)が評価し、2017年に報告書を出した。鉱物資源をもつ89ヵ国において、天然資源の恩恵、資源収入の管理水準、事業支援環境といった3項目に分けて100点満点で評価し、平均指数を出した。モンゴルの評価は64点で15位となった。(詳細は resourcegovernanceindex.com)。

モンゴルは天然資源の恩恵は63点で、これは平均以上の水準だ。しかし制度や規定があっても、それを守らない、実行しない。天然資源から得られる利益の国民への還元が不平等である。天然資源の恩恵を国民全てが受けるための社会的支出が非常に高くつくと評価されている。

この項目の評価は、採掘ライセンス交付、納税、採掘地域への影響、国有企業へのリターンといったサブカテゴリにおいて分析され出されたものだ。

2014年に輸出の90%が鉱物資源となったため、採取産業透明性イニシアティブ(Extractive Industries Transparency Initiative:EITI)参加49ヵ国のうち、モンゴルは天然資源に最も依存している国となっている。

採掘ライセンス交付において、鉱物の探査を含む採掘ライセンスの管理体制を61点で評価している。

鉱物資源庁は、申請もしくは入札により採掘ライセンスを交付してきた。採掘ライセンスの交付は透明性をもって行われている。しかし、地方行政の管理者の署名を取るため、多くの時間と費用がかかる。有効な採掘ライセンス情報は地質鉱山地籍図部ホームページで公開されている。採掘ライセンスにおける探査については実活動ではなく、金額のみで表される。2014年に民間企業497社が802の採掘ライセンスを保有し、そのうち62のプロジェクトで国の予算が投入されている。

納税については、税金を徴収する規定が比較的明確となっている。国家監査局が監視をしているため、モンゴルは82点で最高点を取っている。

国有企業のガバナンスについては40点であり、これはユーラシア9ヵ国中7位だ。モンゴルは2007年、戦略的鉱床における国の利害関係を管理するために「エルデネス・モンゴル」(Erdenes Mongol)という会社を設立した。 同社はモンゴル鉱業最大となる銅、金など5つの鉱床を保有している。しかし、エルデネス・モンゴルはこれらの鉱床の生産、会計、販売についての報告を公表していない。国会も報告書を要求せず、監督もしていない。情報がないため、会社に対する国民の監視の目も緩い。

資源収入の管理水準については54点で平均的である。国家予算報告書は比較的透明性があるが、補正予算は年に1、2回組まれるようになっている。これによって財政法、国債、歳出歳入に関する規定が常に変更されることになっている。各分野の収入と負債について情報を素早く公表するウェブサイトもない。

2014年に輸出の90%が鉱物資源となり、EITI参加49ヵ国のうちモンゴルは天然資源に最も依存している国となった。予算収入は常に石炭、銅の価格変動に左右される。そのためモンゴルはユーラシア諸国の中で経済が最も多様化していない国となっている。

鉱物資源からの収入を国民に現金で交付し、他の予算支出が多い時には交付を止めてきた。これが資源収入の分配において公表的と評価され、モンゴルは74点でブラジルに次ぐ2位となっている。

資源収入の分配は県や郡では鉱物資源利用料金、採掘ライセンスの一部を譲渡する形で行われてきたが、今は完全に停止している。鉱物資源の採掘が行われている郡には何も入って来なくなったという苦情が多発するようになった。その代表例は石油採掘が行われているドルノド県マタド郡である。

モンゴル自然環境省は鉱山の自然環境について影響評価を公表するためのウェブサイトを運用している。しかし「エルデネス・モンゴル」国有会社が関わっている鉱床(ライセンス)の自然環境影響評価は明確に公表されていない。

2010年に設立された国の財政ファンドの活動に対する評価は42点である。これはタイなど数か国の34のファンドの中で18位となっている。このファンドは年間報告書を公表していない、国会も監査していない。何をしているかについて財務省がホームページでたまに記載する程度である。

また、政府は今年初めに長期運用を目的に「未来ファンド」を設立した。法律では四半期ごとの報告書を公表する義務を規定しているが、まだ出されていない。

鉱業の環境については73点と評価されている。鉱業分野に関する数値や資料、規定などが比較的に明確であるが、公表まで時間がかかる。政府や各省庁の組織変更が常に行われ政策も変わるため、鉱業における環境は不明確で、外国投資において快適な環境が整備されていない。しかしながらモンゴルはある程度肯定的に評価されている。

モンゴル人が独自に作り上げた、新しいものが少ない。国際市場においてはカシミアの他に製品を産み出していない。そのため経済を回復させられず、危機から脱出することができない。

今日モンゴルでは政府の需要が増加し、賄賂や汚職に関する対策を取っていないから財政赤字は拡大し、外国からの融資に頼って生活している。

(続きがある。)

2017年11月29日

日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC   http//translate.mig.asia

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