政治、経済、社会 2018年を振り返って

Jargal Defacto
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(2018年のデファクト論説から)

制度:公共の財産を横領する者たちの真の姿が明らかになった。

….発生したスモッグではなく、そのスモッグが発生している原因と戦うことが重要である。スモッグバートルの有害スモッグはゲル地区の石炭ストーブから出ていることは確かだ。国民がその石炭ストーブを使用するしかない状況、つまり貧困が根本的な原因だ。さらに言うと地方の貧困である。正しい地方開発計画が必要だ。遊牧民が家畜の放牧地、せめて冬場の放牧地をバグ(モンゴルの最小行政単位)で協力して運営できる制度があったならば、モンゴルの地方の過疎化が進み、人々は都会に集中しなかっただろう。2018年1月10日

….首相自身が、人民党の65人の国会議員のうち15人が入閣した内閣の力で政党法の改正を至急行うべきである。首相は、ウランバートル市の土地、特にボグド山の周辺地、トール川、ヤールマグ地区の土地を誰がどのように横領したかを突き止めるべきだ。そしてそれらの土地を公共の財産として戻すか、或いは土地代を払わせるだけでも賄賂問題の半分が解決される。2018年1月31日

….贈収賄などの腐敗を取り締まる賄賂対策庁の初代長官B.ダンガースレン氏は海外で原因不明の死をとげた。次の長官Ch.サングラグチャー氏は刑務所に収監された。3人目の長官N.ガンボルド氏は辞職に追い込まれた。4人目の長官Kh.エンフジャルガル氏は贈収賄容疑で何人かを逮捕した。首相経験者を逮捕し、「仕事をしているふり」をするようになったため、大統領は解任しようとしている。2018年5月2日

….政府から億万長者を誕生させているのはこの基金だけではない。価格維持プログラムや農業経営支援基金など、十数の基金が存在する。また、政府の国債発行も政治家が億万長者となるきっかけだった。中小企業開発基金には、国家予算から2009年に300億トゥグルグ、2010年に304億トゥグルグ、2011年に2900億トゥグルグ、2016年に567億トゥグルグ、2017年に506億トゥグルグ、2018年に650億トゥグルグが積み立てられた。2018年10月31日

地域:モンゴルの外部環境において、今年3月に入ってからデ・ジュリ、つまり政治的、経済的に特別なことが多かった。

….モンゴルの外務環境において、今月に入ってからデ・ジュリ、つまり政治的、経済的に特別なことが多かった。隣国であるロシアと中国は指導者を選び、その任期を20年にすることを法律で定めた。西には約30年間一人で政権を握ってきた国がある。モンゴルと隣接する国の政治が1人に支配されるもの、しかし言い換えれば政策が安定しているということである。それに比べてモンゴル政府の平均寿命は2と年となっている。今後もこの寿命は変わらないだろう。モンゴルの新世代は政府の寿命が無理でも、せめて政策の安定性を求めている。2018年3月20日

….この日、モンゴル政府は誘拐を主導し、ある人物を外国に移送しようとしていた。しかし、そのことをいち早く知った市民がソーシャルネットワークを通じ、団結して移送を阻止することができた。真の民主主義国家では、権力は国民の手にあることをモンゴル国民が証明してみせた。2018年8月15日

….モンゴルを通過する原油や天然ガスの輸送パイプライン建設が低コストでできる。また、距離的にも北京や他の大都市までが、中央アジアや満州里市からパイプラインを引くより短くて済む。2018年9月19日

経済:政府に対する銀行のロビー活動はより活発になっている。

….銀行のロビー活動は日増しに強くなっている。政党に資金を渡し、選挙費用を提供する特定の銀行の力が強まり、あらゆる場面で政府を意のままに動かすようになった。銀行は政府に債権保証を出させ、表から裏からと国の財産を低価格で買い上げ、資産価値のある土地を次々と手に入れていった。三権分立は崩壊し、政府は国民のためではなく、スポンサーのために働くようになっている。また裁判の判決を予想することは、より難しくなった。2018年4月25日

….各銀行は小口決済から160トゥグルグ、その他の決済から200トゥグルグ、高額決済から300トゥグルグの手数料をモンゴル銀行に支払っている。手数料によるモンゴル銀行の収入は2016年50億トゥグルグ、2017年は68億トゥグルグであった。2018年6月13日

….政府は小規模鉱山の採掘規定を明確にし、ニンジャが金を採掘するライセンスの交付権を郡区長に与えた。このライセンス交付権を得たことで、一部の郡区長が賄賂を受け取るようになった。また、郡区長自身が金の採掘を行うようになった。地方の県議会が独立した国のような動きを取るようになっている。2018年8月23日

….国会で審議されている為替規制法案を見ると、16.1.3に「モンゴル国の外貨準備高の増加、規制のために個人や法人、金融財政を担う政府機関から外貨、金を購入することができる」、16.1.6に「モンゴルの国境検問所を通過する際に所持できる現金に制限を設ける」、17.1.3に「為替レートに及ぼす影響を考慮し、商取引に制限を設ける」などの条項が盛り込まれている。これは、モンゴル政府が為替を規制(Capital control)しようとしていることを示している。この法律が可決されれば、モンゴル政府は資金の流れや為替取引を規制する国のランクに入ることになる。そうなれば、モンゴルへの外国投資、融資もなくなるだろう。モンゴルが完全に負債に飲み込まれるとなると、どこかの国が手を差し伸ばしてくれるかもしれない。だが、経済の安定は失われる。2018年10月17日

首都:ウランバートルの未開発な状況が市長たちに有利に働いている。

…. ウランバートルの中心にある20近くの省庁を囲むように駐車場を探し回る何十台もの車が渋滞の原因の1つであることが調査で明らかになっている。一部の国では、首都を大都市から新たに造成した街へ移転させ、開発された中心都市として機能している。例えば、オーストラリアの首都はシドニーではなくキャンベラ、ニュージーランドの首都はオークランドではなくウェリントン、カリフォルニア州の州都はサンフランシスコではなくサクラメントなど、同様の理由で首都機能を移転している。数年前、モンゴルの近隣国であるカザフスタンは、首都をアルマトゥイからアスタナへ移転した。2018年5月9日

….権力者にとってはウランバートルのインフラ整備は進まない方が都合良い。ウランバートルに整備された道路や上下水道などのインフラが整えば、権力者たちは工事に伴う賄賂や土地売買での利益を得られなくなる。職権を利用して欲望を満たすことが出来なくなってしまえば、誰も政府の職に就かなくなるかもしれない。2018年7月28日

….ボヤント・オハー空港の現在の価値は3億ドル、つまり7500億トゥグルグである。この空港に投入した膨大な資金に見合った成果を得なければならない。モンゴルの国際空港がフシギーン・フンディの新空港に移転することになったこの時期に、航空ビジネスを成功させるチャンスが巡ってきている。2018年8月1日

 2018.12.28

日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia

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